「男はつらいよ」45周年記念 私と寅さん

寅さんは永遠のヒーロー!

雨渓さま (50代~ ) 関東 在住

私の寅さんとの出会いは私の年齢からすると遅く、8年程前NHK BSで放映された『ああ、失恋48連発』でした。盛んに映画館で公開上映されていた若い頃は全く興味がなく、「寅さん?ダサい…」と思っていたくらいです。それが私も社会に出て働き、結婚し、子供を儲けるとそれはもういろいろな荒波にもまれるわけです。そんな時です、寅さんに出会ったのは。
子供が受験を控え悶々とした日々を送っていました。土曜の夜は塾のある日で、疲れて機嫌の悪い子供を迎えに行くまでのひと時に何とはなしに『寅さん』にチャンネルを合わせました。見入ってしまったのです。笑い、泣き、そして和みました。すっきりした気持ちで子供を迎えに行くことができました。無事、親として受験を乗り越えられたのは週に一度の『寅さん』のお陰と言っても過言ではありません。
それから程なくして、子供の学校で催された講演会で、臨床心理士の先生のお話の中に寅さんが出てきたのです。第13作『男はつらいよ寅次郎恋やつれ』の吉永小百合演じるヒロインの苦労話を津和野の食堂で熱心に寅さんが聞いているシーンが映し出され、先生は「寅さんほどの名カウンセラーはいないのです」とおっしゃったのです。寅さんにほだされた直後の私でしたから、思わず「その通り!」と叫びそうになってしまいました。それからはDVDを借りたり、全作放映されると聞いてはWOWOWに登録したり、とにかく時間があれば観ていました。
しかし観れば観るほど、今のこの時代の東京に寅さんは合わないのではないか、隣に誰が住んでいるのかもわからないこの時代に、寅さんがいても煙たがれるだけではないか、と感じてしまいます。寅さんは昭和が生み出したヒーローなのでしょうか。そうかもしれないけれど、寅さんやとらやのみなさんのあの美しく済んだ心で誰にでも平等に接し、労い、愛すること、それは私たちが人間である以上変わるものではないと思います。寅さんは永遠なのです。


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