「男はつらいよ」45周年記念 私と寅さん

母校でロケ

米山浩道さま (50代~ ) 関東 在住

私も生まれも育ちも住まいも葛飾です。小中高校も葛飾区内。
シリーズの26作目『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』の伊藤蘭さんが通う学校のロケが、私の母校でした。当時私は高校2年生。

ロケ当日は、土曜日。
出演者の控室が校長室でした。
私は校長室の前の廊下を当番として掃除していると、マドンナ役の伊藤蘭さんが一人で校舎内に入って来ました。

私はその時、ボーッと蘭さんを校長室に入って行くのを見惚れていました。

その後、本篇を鑑賞すると学校周辺の他に、蘭さん扮するすみれのバイト先のコンビニも私がチョクチョク寄る店で(店のオバチャンも出演)あり、非常に親近感が湧いてしまいました。

個人的には『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』は忘れられない作品です。


寅さんの映画で家族の絆が生まれる

矢野光映さま (50代~ ) 関東 在住

寅さんをこよなく愛した下町生まれ、江戸っ子の父親の三番目の娘として生まれた主婦です。映画館にも足を運びましたが、夕飯後に必ず家族みんなでテレビで寅さんの映画を見ていたことを今でも思い出します。何度も恋に破れながらも、いつも相手のことを思いやる寅さんに、名物教師だった、今は亡き父の顔を見ると、鼻を真っ赤にして、ぐすんとぐすんと目には泪いっぱい。我が家の夕飯は、笑と涙に溢れて、うちと同じ感覚にほっとして、和み、楽しい時間となりました。我が家がみんなで笑いあえるということも寅さんのお蔭です。また寅さんの柴又の家の生活風景と庶民的感覚が我が家にとても似合っていました。毎回変わるマドンナたちー吉永小百合さん、浅丘ルリ子、檀ふみたち、寅さんの物語と共に、素敵な女優さんにスクリーンで会えるのもまた楽しみ!他に倍賞千恵子や笠置衆、三崎千恵子などベテラン俳優陣も映画を一層盛り立て、寅さんの心も物語も、寅さんと同じように8月に旅立った父の心にも私にも息づいております。寅さんよ永遠なれ~。素晴らしい感動をありがとうございました。


寅さん川柳

TORAさま (50代~ ) 関東 在住

江戸川の 渡しの風に 旅の人

うなぎ釣れ 師の元馳せる 日暮れ道


寅さんは永遠のヒーロー!

雨渓さま (50代~ ) 関東 在住

私の寅さんとの出会いは私の年齢からすると遅く、8年程前NHK BSで放映された『ああ、失恋48連発』でした。盛んに映画館で公開上映されていた若い頃は全く興味がなく、「寅さん?ダサい…」と思っていたくらいです。それが私も社会に出て働き、結婚し、子供を儲けるとそれはもういろいろな荒波にもまれるわけです。そんな時です、寅さんに出会ったのは。
子供が受験を控え悶々とした日々を送っていました。土曜の夜は塾のある日で、疲れて機嫌の悪い子供を迎えに行くまでのひと時に何とはなしに『寅さん』にチャンネルを合わせました。見入ってしまったのです。笑い、泣き、そして和みました。すっきりした気持ちで子供を迎えに行くことができました。無事、親として受験を乗り越えられたのは週に一度の『寅さん』のお陰と言っても過言ではありません。
それから程なくして、子供の学校で催された講演会で、臨床心理士の先生のお話の中に寅さんが出てきたのです。第13作『男はつらいよ寅次郎恋やつれ』の吉永小百合演じるヒロインの苦労話を津和野の食堂で熱心に寅さんが聞いているシーンが映し出され、先生は「寅さんほどの名カウンセラーはいないのです」とおっしゃったのです。寅さんにほだされた直後の私でしたから、思わず「その通り!」と叫びそうになってしまいました。それからはDVDを借りたり、全作放映されると聞いてはWOWOWに登録したり、とにかく時間があれば観ていました。
しかし観れば観るほど、今のこの時代の東京に寅さんは合わないのではないか、隣に誰が住んでいるのかもわからないこの時代に、寅さんがいても煙たがれるだけではないか、と感じてしまいます。寅さんは昭和が生み出したヒーローなのでしょうか。そうかもしれないけれど、寅さんやとらやのみなさんのあの美しく済んだ心で誰にでも平等に接し、労い、愛すること、それは私たちが人間である以上変わるものではないと思います。寅さんは永遠なのです。


私の「寅さん」

TORAさま (50代~ ) 関東 在住

寅さん、車寅次郎という渥美清さんが演じるキャラクターに出会ったのは私が小学生だった頃のテレビドラマ。そのころテレビの無かった我が家は近所の家で確か再放送の時に時折見せてもらっていた。以前から渥美清の「泣いてたまる」等が好きだったのでいそいそとそのドラマを見せて頂いてはいたが、なにぶん他人の家のテレビ、全作を観る事は叶わない。
そうこうしているうちに映画化されて映画館で公開という。中学生だった自分は一人で「男はつらいよ」を映画館まで観に行った。今となっては、断片的だけどテレビドラマ時代から映画になった第一作をリアルタイムで体験している事が誇りだ。
それから全作を公開時に必ず観るという訳にはいかなかったけれど、シリーズ初期はよく映画館に足を運んだ。どうしてあんな四角い顔のおじさんが美人に振られる話が面白いのか。夏祭りの時期に公開時が重なって、映画館の外から祭りのにぎやかな音が場内に漏れ聴こえて来る中、もてない君だった私は一人で寅さんに熱い視線を送ったものだ。そこにはモテない同志の同類の共感があった。
時が経て、テレビ、ビデオで全作を繰り返し繰り返し観る事で、「男はつらいよ」の根底に流れるテーマのようなものが見えて来る。そこに見え隠れするのは、決してもてないおじさんの失恋話ではなかった。家族という絆の太さと隣人の友愛。人と人との繋がりの形を、決して難しい言葉では語らない、車寅次郎という人物の目を通した日常の言葉から浮き出す真理が透けて見える仕掛けになっていた。
私が「男はつらいよ」を観るとき、何より楽しみにしているのはとらやでの日常の会話にある。おいちゃん、おばちゃん、さくらの近所のうわさ話からそこはかとなく社会情勢を市井の目線で素朴に語られ、隣のタコ社長が汗をかきながら生活者として日々の苦労を嘆く。そんな光景が自分もその中の一員になったかのような面持ちにさせられる心地よさだった。

シリーズ後期のころ結婚し、以後毎年の大晦日に「男はつらいよ」を家族で観に出かける事を恒例とするように。ロケ誘致運動をし、監督との面談が叶い、スタジオ見学も何度か機会に恵まれ、渥美さん、笠智衆さんを始めとするとらやファミリーの役者さんともお目にかかれた。シリーズ終演後にファンになった若い世代には羨ましく思われるだろう。当時としても貴重な体験だった事には違いない。


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